Makro-Kilar A 40mm F2.8を入手しました。
世界初のマクロレンズとのこと。
1955年にスチールカメラとしては世界初のマクロレンズMakro Kilar 40mm F3.5を発売したキルフィットが1958年に発売した後継レンズ。テッサー型でシャープネスが高く発色もよい。
Makro-Kilar A 40mm F2.8は、「A」という表示から、タイプAのようです。ネットでは、タイプDやタイプEが多いようですね。
1:2 倍撮影が可能なダブルヘリコイドの「タイプA」
モデル系列番号「254-xxxx」開放f値2.8、最短撮影距離10cm、プリセット絞り、フロントベゼル有り
私の入手したレンズもM42マウント、と思っていたところ、何とArriflexマウントで驚きました。ネットで検索しても、ArriflexマウントのMakro-Kilarがなかなかヒットしないのですが、SNSで、写真家の田中長徳さんとmukカメラサービスの小菅さんに教えていただいたところによると、当時はマクロレンズがこれしかなかったので、フィルム動画撮影(テレビ、CM)で使われていたようです。市川昆監督の「トッポジージョ」や、加山雄三の「コカ・コーラのCM」だそうです。
ただ、このレンズは後玉がバルサム切れのようで、曇っています。写りが心配ですね。
さらに注意が必要なのがこの光学系後群の構造が影響しているのですが、貼り合わせレンズになっています。そのためにバルサム切れ (レンズ貼り合わせの接着剤:パルサムが経年劣化で剥離し始めている状態) が生じ薄くクモリが出ていることが多くなってきています。このクモリもバルサム切れが原因だとすると一度バルサムを剥がしてから再接着をしない限りクモリを除去することは不可能です。しかしながら貼り合わせレンズの再接着は光軸ズレを誘発する可能性が高くなかなか難しいと思います。
作例はこれから撮影します。