かつてWindows Phoneでマニアックな機種がありました。HP Elite x3という機種です。スマートフォンとして大失敗に終わったWindows Phoneの後期に出てきた製品で、ユニークだったのが、ノート型ドックとセットで販売されたのです。
http://jp.ext.hp.com/3in1/elite_x3/
ノート型ドッグとは、ノートパソコン形状のドッキングステーションで、モニターとキーボートとトラックパッドが搭載されており、パッと見はノートパソコンですが、中身はOSが搭載されていない、ただの箱です。これにWindows Phoneを繋ぐと、Windows Phoneのデスクトップ出力システムContinuumが使えました。このユーザーニーズを無視した製品は、全く日の目を見ずに消えていきました。
このHP Elite x3はいわゆるモニターシステムでしかないので、GalaxyのDeXを可動させているユーザーがいましたので、実験してみました。付属のHDMI出力できる両端がUSB-Cケーブルで、Galaxy S10をつないだところ、何とDeXが動いてしまいました。
キーボード配置は、Google日本語入力で、キーボードを日本語109Aを選択すれば、キー配置のままで入力できます。
タッチパッドがセンシティブすぎるので、マウスは必須です。それにしてもこのスタイルなのに、画面タッチができない仕様はユーザーいじめ以外の何者でもないですね。Windows Phoneが売れなかった理由もわかります。
タッチパッドにちょっとでも触れると誤動作してしまうため、タッチパッドの上に布を置いて反応しないようにして使っています。Galaxyの布ケースが良い感じです。
ノート型ドッグのもう一つの欠点がバッテリー。USB-C接続で出力中のGalaxyを給電しながら利用できるのは便利なのですが、ノート型ドッグを使っていないときも放電してしまうバッテリーの仕様のようで実用的ではありません。ACアダプター必須です。使っていないときにもACに繋いでおかないと、使うときにバッテリー切れになってしまいます。充電器はUSB-Cで45W程度のもののようなので、PDモバイルバッテリーでもいいかもしれません。
このノート型ドッグのよいところは、すべてスマホ上で動いていますで、不意にケーブルが抜けて、画面がオフになってしまっても、スマホ上にデータが残っているので全く問題ありません。スマホが再起動してしまっては、データが失われますが、ドッグ上の画面がどうなろうが、ドッグのバッテリーが切れようか、スマートフォンが無事なら良いわけです。
Windows Phoneのノート型ドックでAndroidが動いている様子は、マニアック過ぎますね。このマニアックさを理解できるモバイルユーザーが、日本に果たして何人いるのか、心配になってきました。