「オールドレンズで撮るポートレート写真の本」では個性的なレンズが紹介されています。
その中でも、CANON FL50mm F1.4 I型に注目しました。FLレンズは、58mm F1.2と55mm F1.2という2本の大口径を所有しており、個性的な描写が好きなシリーズです。そのF1.2とはまた違う個性をもったFL50mm F1.4 I型の作品に驚きました。
FL50mm F1.4は短命なレンズでしたが、3世代あったようです。
1965年発売:「前期型」
前玉側に「自動/手動スイッチ」、光学系5群6枚構成、コーティング「アンバー」
1966年発売:「中期型」(モデルI型)
マウント側に「自動/手動スイッチ」、光学系5群6枚構成、コーティング「アンバー」
1968年発売:「後期型」(モデルII型)
マウント側に「自動/手動スイッチ」、光学系6群7枚構成、コーティング「パープル」
ここでは「中期型」と表記されている、I型は非常に個性的です。
発売年月 1966年(昭和41年)9月
発売時価格 21,800円
レンズ構成(群) 5レンズ構成(枚) 6
絞り羽根枚数 8
最小絞り 16
最短撮影距離(m) 0.6
最大撮影倍率(倍) 0.104
フィルター径(mm) 58
最大径x長さ(mm)x(mm) 64 x 43
詳しくは、「オールドレンズで撮るポートレート写真の本」で説明されているのですが、当時としてはユニークなレンズ構成だったようで、現代のミラーレスで使うと、とても個性的な描写になります。
早速入手しました。CANON FTとセットです。当時、FTにはFL50mm F1.4 II型が付いていたようですが、入手したFTにはI型が付いていました。
I型は自動絞りリング(A/M表記)がレンズ側、II型は自動絞りリングがマウント側になります。某ショップで、II型を初期型として販売していたので、初期型ではありませんよ、と伝えておきました。
作例です。F1.4ながらも、F1.2より薄く感じるピントです。ボケも大きく暴れるため、撮影が楽しいです。
後日談ですが、最初入手したレンズが、開放で3mまでしかピント合わず、再調整に出しました。開放で20mくらいまで合うようにはなりましたが、無限に届かないので、遠景を撮る際にはF8に絞っています。