CP+2018に行ってきました。今年は日曜のみしか行けない予定だったのですが、どうしても写真家の澤村徹さんのセミナーに行きたいため、土曜の午後に無理矢理行ってみました。
木下光学のブースにて「オールドレンズライクが意味するもの KISTARレンズの世界観」というセミナーです。
木下光学から発売しているKISTARの3本のレンズの開発から作例まで、濃いセミナーでした。
KISTARレンズは、ハンドメイドにて製作しているそうです。特に研磨は、今のメーカーは機械化されていますが、KISTARは手作業のため、ノウハウの引継ぎが必須となるそうです。
ハンドメイドについて、木下光学社長より発言もありました。
KISTAR 55mm F1.2は、名レンズTominon 55mm F1.2を復刻したレンズ。設計者の弟子が継承した、というエピソードがありました。
Tominon 55mm F1.2と言えば、後玉がM42絞り押しピンのため、削られていることで有名です。iPhone Xのノッチのような感じですね。KISTARは、マウントをコンタックスヤシカに変更したため、この後玉の削りは不要になりました。
2本の描写は非常に良く似ているそうですが、絞りによる変化が違うそうです。
そして、注目のレンズは、KISTAR 35mm F1.4です。
55mmがTominonの復刻でしたが、35mmは全くの新設計だそうです。
35mm F1.4というレンズは大柄なものが多いですが、KISTARはコンパクトにして、スナップで利用しやすくなっています。
出た～、殺し文句。「球面ズミルックスとディスタゴンのいいとこ取り」。あ～これだけでイメージ湧きますね。開放は暴れれる収差で、絞るとキリっとするそうです。凄いレンズですねえ。
そして、KISTAR 85mm F1.4。ポートレートの作成が沢山紹介されて、人物撮りに最適です。
鏡胴デザインにクビレがあります。
通常は、同じシリーズのレンズは、同じような描写に揃えるそうですが、KISTARは、統一感よりも、一本一本の尖った個性になっています。
セミナー前に澤村さんにお話をお伺いしたところ、特にお勧めなのが、オリジナル設計の35mmだそうです。収差のテストを何度も繰り返して、作られているため、オールドレンズ好きには、たまらないレンズになっているようです。
KISTARのようなレンズが、ハンドメイドで作成されていることに、幸せを感じますね。いつかは入手したいレンズです。
※セミナーの撮影は、LUMIX G7、PO3-3Mで行いました。
