香港にモバイル旅行に行く理由

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HYBRID W-ZERO3と香港

モバイルを30年近く利用していますが、その中で欠かせないのが、香港モバイル旅行です。何故、香港なのか?その理由を振り返ってみます。
スマートフォンの元祖と言えばPDA(パーソナルデジタルアシスタント)です。1990年代に海外端末HP200LXの日本語化、DOS/C化から始めたモバイルライフですが、1997年に日本でWindows CEがリリースされたのをきっかけに、PalmOS、Windows Mobile、Linux Zaurusと日本メーカーから続々とPDAがリリースされるブームに合わせて、PDAのモバイル活用に熱中して、ブログで端末ノウハウを掲載して、モバイルユーザーと情報の共有を始めました。
しかし、1999年にリリースされたiモード以降、日本のモバイルは携帯電話とノートPCにシェアを奪われ、2003年にsigmarion 3がリリース以降、壊滅状態になりました。
2003年以降、日本のモバイルユーザーはPDAのリリースが途絶えてしまい、海外スマートフォンに活路を見出します。海外ではiモードではなく、ポケベルから進化したメッセンジャー端末Blackberry、PDA機能に通話通信機能を内蔵したスマートフォンNOKIA、Palm、Windows Mobileなどにシフトしていました。この海外製スマートフォンを日本語化して、日本でPDAとして使うという方法を試していました。
海外製スマートフォンは通信規格がGSMだったので、日本では通信ができず、あくまでPDAとして使うという用途でした。
この海外製スマートフォンの日本語化に尽力したのが、海外在住の日本人モバイルユーザー達でした。当時、端末の輸入も難しかった時代に、現地でいち早く端末を入手して日本語化プログラムを日夜テストしていく海外ユーザーに支えられて、日本のモバイルユーザーは海外端末を使うことができたのです。特に香港は世界のモバイル市場の先端で、最新スマートフォンが続々入荷していました。日本で触ることができないスマートフォンを、香港在住のモバイルユーザーがテストをしてくれていました。
日本のユーザーは、当時輸入をしていたpocketgamesや秋葉原のモバイルショップに数台入荷される海外スマートフォンを入手して、海外ユーザーのノウハウで日本語化してPDAとして使っていました。
そんな海外スマートフォンをPDAとして使っていた時代に、海外で通信通話をしてスマートフォンとして使ってみたいと思い立ちました。当時使っていた台湾製スマートフォンBENQ P50を持って香港に行きました。目的はBENQ P50で通話と通信をしたい、ただそれだけのために香港に行ったのです。
香港ユーザーの方とは、オンラインでやりとりはしていたのですが、そのとき初めて現地でお会いしました。香港の地下鉄の中で、香港在住の山根博士に現地SIMをBENQ P50に設定してもらい、通話と通信ができたときの感動は忘れられません。PDAで通話と通信ができることが、日本のモバイルユーザーの悲願だったからです。

itokoichi.cocolog-nifty.com

 

余談ですが、この初めての香港モバイル旅行から帰国したら日本でW-ZERO3という端末の発表がありました。ウィルコムからPHS内蔵のスマートフォンが発表されたのです。

 

W-ZERO3発表会見2005年10月20日: itokoichi-cocolog

 

香港でスマートフォンを初体験した2005年にW-ZERO3がリリースされるというエポックメイキングな年になりました。
その後は、頻繁に香港に訪れて、日本で未発売のスマートフォンを体験したり、日本製スマートフォンを海外で使用する、ということを繰り返していました。その際にも香港在住のモバイルユーザーTOJIさん、師匠、バスターさん、アスカルさんには大変お世話になりました。

xtech.nikkei.com

毎年訪れていた香港には2020年はついに一度も行けませんでした。また気軽に行ける状況になったら再訪したいです。