【Windows Phone】終焉と始まり【ARM版Windows】

2017-12-06_06-12-03

Windows 10 mobileが事実上の終焉というリリースが各所から流れており、心を痛めております。「Windows Phone応援団」というブログを運営している以上、この話題は避けては通れないのですが、何を書いたらよいか、悩んでいましたが、こんなニュースがリリースされました。

www.itmedia.co.jp

pc.watch.impress.co.jp

 

ついにやってきました。モバイル用CPUでフルのWindowsが動くニュースです。一時期話題になっていたSurface Phoneという、小型のSurfaceでスマートフォン機能を持たせる、ということのが可能になります。

Windowsのモバイル戦略は、1997年のWindows CE一号機の発売から、20年間迷い続けてきました。コンシューマー目線で見ると、PDA時代は、組み込みOSであるWindows CEをミニキーボード端末として、カシオペアとモバイルギアが発売となり、その後、各社よりキーボード搭載端末がリリースされました。その後、PDAでブレイクしていたPalmをターゲットとして、Pocket PC、そしてWindows Mobileとしてキーボード非搭載のペン入力デバイスへ移行していきます。ただし、日本では携帯電話のブレイクとともに、PDAは衰退していきます。一方、海外のWindows Mobileは、電話機能を搭載したスマートフォンへと変わっていきます。
PDAが衰退した日本において、携帯電話全盛時代に、 Windows Moibleを搭載を搭載したスマートフォンとして、2005年にW-ZERO3が発売となります。ニッチな人気ではありましたが、このW-ZERO3のブームにより、各社からWindows Mobileスマートフォンが発売となります。ただ、このWindows Mobileも、iPhone、Androidの登場で終焉を迎えます。
マイクロソフトは、15年近く続いたWindows CEの資産を捨てて、OSの大幅リニューアルに踏み切ります。2011年にリリースされたOS、Windows Phoneです。記念すべき世界初の端末がIS12Tとして日本で発売となりました。アプリのマーケットを用意し、UIをタイルスタイルにして、ハブという情報を横断して使えるエコシステムを搭載した新しいOSでした。しかし、このOSはアプリ不足、端末がリリースされないなどの問題があり、失敗となり、iPhone、Androidのシェアがさらに拡大します。Windows PhoneをリリースしていたNOKIAの市場撤退で、マイクソロソフトがNOKIAのLumiaブランドを吸収する、という事態にも発展します。
そして、マイクロソフトは大勝負をしかけます。デスクトップ用OS、Windows 10のリリースと同時に、Windows 10 mobileというOSに大きくリニューアルしました。アプリマーケットをPCと互換性を持たせたり、モニターに繋いでPCライクに使える機能などを搭載したのです。海外では、各社の撤退の中、日本市場だけ、Windows 10 mobile端末が続々とリリースされます。しかしながら、相変わらずのアプリ不足で、ユーザーが広がらず、シェアをさらに落とす結果となってしまいました。
ユーザーがスマートフォンに求める機能を提供できないマイクロソフトと、変なモバイル端末を出すくらいならフルWindows機能を搭載したスマートフォンが欲しいというユーザーに、大きな乖離が発生していたのです。
そして、ついに、前述したリリースが出ました。モバイル用CPUにて、フルのWindowsを動作させる、という英断です。当初は、12~13インチのタブレット2in1が中心になるとは思われますが、GPD Pocketに代表されるミニノートなどに、このCPUが搭載されたり、また、6~7インチクラスの大きめのスマートフォンで、このCPUとフルWindowsが搭載されると、スマートフォンのニーズが大きく変わる可能性があります。まさに、Surface Phoneという概念が実現する瞬間です。
長年、モバイル用OSで紆余曲折をしてきたマイクロソフトですが、今回のARM版Windowsのリリースで、寄り道せずにユーザーニーズに合わせたモバイル端末のリリースを期待します。Windows CE、Windows Mobile、Windows Phone、Windows 10 mobileと4度の挫折を得て、5度目の正直としてユーザービリティの高いサービスを期待します。