【はてなダイヤリー終了記念・モバイル青春記】第五回・はてなダイヤリーのモバイルユーザーとW-ZERO3書籍を出すことを決意

 W-ZERO3は無事に発売されました。一つの社会現象として扱われるほど話題になりました。
販売初速は成功したものの、まだまだ心配がありました。それはW-ZERO3に搭載されているOS、Windows Mobileです。Windows Mobieは、1,997年に日本市場に、組み込みOS、Windows CEが登場以来、業務用端末以外に、PDAに組み込まれます。当時の最大のライバルであるPalm OSとの戦いに勝ち、Windows Mobileとして進化はしますが、日本ではPDAが死滅していまいます。一方、海外では、このWindows Mobileに携帯回線による通話通信機能が搭載されて、スマートフォンとして流通していました。
海外と同じように、Windows Mobileスマートフォンが、日本独自のガラケーユーザーに訴求できるか、というと非常に難しい環境でした。ガラケーは、携帯電話のみの操作だけで、コンテンツやアプリが入手できますが、Windows Mobileスマートフォンは、そうは行きません。アプリをインストールするためのAppStoreのようなシステムはなく、パソコンソフトと同じように、パッケージや企業ページからダウンロードする時代だったのです。特にWindows Mobileは、ユーザー開発のフリーウェアも多くリリースされちましたので、作者のホームページに個別にアクセスしてダウンロードする必要があったのです。
そのため、W-ZERO3を使いこなすためには、ただのマニュアル本ではなく、詳しいカスタマイズ方法を解説した書籍が必須でした。ネットから情報を得ないユーザーのためにも、アプリのダウンロード方法や、マニュアルに掲載されていない便利なカスタマイズ方法を紹介する書籍は必須でした。
そこで、W-ZERO3本の企画書を作って、出版社を回りました。その中で、企画に乗ってくれたのが、PDAユーザーとしても活躍していた編集プロダクションのオフィスマイカの井上真花さんと技術評論社でした。そして、共著として、はてなダイヤリーを通じて交流の合ったPDAユーザーやプログラマーのみなさんが参加してくれたのです。
11名の著者と苦労をしながら、書籍W-ZERO3パワーナビゲーターは発売することができました。

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gihyo.jp


発売前日のはてなダイヤリーの記事がこちらです。

itokoichi.hatenadiary.com


W-ZERO3が2005年12月に発売されて、少しでも早く出したいと、著者のみなさんが頑張ってくれて、2006年3月に発売することができました。
W-ZERO3は、アプリによるカスタマイズが必須の端末ではありましたが、順調に成長を続けて、続々と後継機種を出していきます。そして、このW-ZERO3の成功で、ガラケーしかリリースしていなかった大手通信会社がスマートフォンに向けて動き出します。それはまた次回。